ヘアオイルはアイロン前?後?
40代の髪を守る順番
オイルを増やすより先に、使う順番を整える。製品の目的、髪の乾き、施術履歴から考える、朝のヘアケアの基本です。
「オイルをつけてアイロンを通すと、午後には毛先が重く、束になってしまう」
「アイロン前のオイルは傷むと聞いて、何もつけずに毎朝アイロンを使っている」
「調べるほど、前なのか後なのか分からなくなる」
朝、毛先の広がりを落ち着かせようとヘアオイルをつけて、そのままアイロンを通す。仕上げた直後はツヤが出たように見えるのに、午後になると毛先が重い。触ってみると、なぜか少し硬く感じる。そんな経験はありませんか。
反対に、「アイロン前にオイルをつけると髪が傷む」と聞き、何もつけずに毎朝アイロンを使っている方もいらっしゃいます。調べるほど違う情報が出てきて、かえって分からなくなってしまう方も少なくありません。
髪をきれいに見せるためにオイルを増やすのではなく、髪がきれいでいられる順番を整える。今回は、40代以降の髪を重く見せず、アイロンの熱とも上手につき合うための考え方を、表参道のプライベートサロンRiourse代表・川北が解説します。

結論|前か後かは、オイルの「目的」で決まります
ヘアオイルは、すべての商品を一律に「アイロン前」「アイロン後」と決めることはできません。
製品の目的を確認し、髪をきちんと乾かし、必要な場所へ必要な量だけ使う。そのうえで熱を重ねすぎないこと。この順番が、40代以降の髪を重く見せず、熱の負担を抑えるための基本です。
この記事のポイント
① 容器やメーカー公式の「使い方」を最初に確認する
② アイロンは、内側まで乾いた髪にだけ使う
③ オイルは根元・中間・毛先で量を変える
④ 違和感があれば、足す前に減らして見直す
ヘアオイルは、前と後のどちらが正解?
答えは、使っているヘアオイルの目的によって変わります。ひと口にヘアオイルといっても、すべてが同じものではありません。
タオルドライ後の濡れた髪に使う洗い流さないトリートメント。アイロンやコテを使う前の使用を想定したスタイリング剤。乾いた毛先へツヤやまとまりを与える仕上げ用オイル。見た目は似ていても、それぞれの役割と想定されている使い方は異なります。
| 商品の目的 | 基本のタイミング | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 洗い流さないケア | タオルドライ後 | 乾かしてから次の工程へ進む |
| 熱前用スタイリング剤 | 製品表示に従ってアイロン前 | 量、乾燥の要否、使用方法 |
| 仕上げ用オイル | アイロン後 | 毛先の内側から少量 |
大切なのは、「オイルだから前」「オイルだから後」と名前だけで判断しないことです。まず容器の裏側やメーカー公式の使用方法を確認してください。「タオルドライ後」「乾いた髪に」「アイロン前に」「仕上げに」など、想定された使い方が記載されています。
成分表示も、見分けるヒントになります
熱を使う前後の使用を想定した製品には、シクロペンタシロキサン、メドウフォーム-δ-ラクトン(エルカラクトン)、加水分解シルク、加水分解ケラチンなどが配合されていることがあります。
ただし、成分名だけで使い方は決まりません。最終的には、製品に書かれた使用方法を優先してください。使い方が分からない場合は、自己流で用途を広げず、メーカーや担当美容師へ確認するほうが安心です。

なぜ「アイロン前のオイルは危険」と言われるのか
以前のこの記事では、「オイルが熱を閉じ込め、髪が焦げる」という強い説明をしていました。しかし、髪への熱負担は、オイルだけで決まるものではありません。
髪に水分が残っているか。設定温度は何度か。同じ場所を何回通しているか。毛束は厚すぎないか。強く挟みすぎていないか。そして、カラーや縮毛矯正、毎日のアイロンによって、すでにどの程度の履歴が重なっているか。
これらの条件が重なって、髪への負担は変わります。そのため、「オイルをつけたから傷んだ」「オイルをつけなければ傷まない」と単純には言い切れません。
最も避けたいのは、湿った髪へのアイロン
特に気をつけたいのは、髪に水分が残った状態でアイロンを使うことです。表面が乾いているように見えても、耳の後ろ、襟足、毛先の内側には湿りが残っていることがあります。
朝、寝ぐせを水で直したあと。ミストやオイルを多めにつけた直後。時間がなく、乾ききる前にアイロンを通してしまう。こうした順番が続くと、オイルの種類以前に、熱の使い方を見直す必要があります。
まず内側まで乾かす。そのあと、熱前使用が案内された製品だけを薄く均一に使う。この順番を飛ばさないことが大切です。
40代以降の髪は、根元・中間・毛先で状態が違います
40代以降の髪を考えるとき、髪全体を一つの状態として見ないことが重要です。
根元は新しく伸びてきた髪。中間には数か月前のカラーや日常の摩擦。毛先には、さらに古いカラー、縮毛矯正、パーマ、紫外線、毎朝のアイロンが重なっています。一本の髪の中でも、必要なケアは同じではありません。

根元
根元は比較的新しい髪で、皮脂の影響も受けやすい場所です。毛先と同じ量のオイルをつけると、ボリュームがなくなり、髪が洗えていないように見えることがあります。
中間
中間にはカラーや摩擦の履歴があります。表面だけが浮くのか、内側が乾いているのかによって、必要なケアの種類と量が変わります。
毛先
毛先は最も古く、さまざまな履歴が重なった部分です。ただし、乾燥して見えるからとオイルを何度も重ねればよいとは限りません。毛先に必要なのが油分ではなく、水分を含むケアやカット、施術履歴の整理である場合もあります。
オイルを増やしても毛先が硬い、乾きにくい、シャンプー後も重い。このようなときは、「足りない」のではなく、すでに何かが重なりすぎている可能性も考えます。
Riourseが考える、朝の正しい順番
Riourseでは、何を使うかだけでなく、どの順番で使うかを大切にしています。良い製品を選んでも、髪が湿ったまま熱を使う。根元から毛先まで同じ量をつける。整わない場所へ何度もアイロンを通す。その順番では、本来の良さを活かしにくくなります。
STEP1|寝ぐせは、アイロンで押さえ込む前に整える
根元のつぶれや寝ぐせがあるときは、必要な部分を水分でリセットします。毛先だけを濡らすのではなく、形が崩れている根元まで戻すことが大切です。
その後、根元、内側、中間、毛先の順に乾かします。濡らした部分は、指で触れて内側まで乾いたことを確認してください。
→関連記事髪を早くきれいに乾かす方法|根元から乾かす順番STEP2|アイロン前は、指定された製品を薄く
熱前使用が明記された製品を使う場合も、一度に多くつけないことが基本です。手のひらと指の間までよく広げ、負担が気になる中間から毛先へ薄くなじませます。根元のボリュームを残したい方は、頭皮付近へ広げません。
つけた場所だけ濡れて見えるほど偏っている場合は、そのままアイロンを使わず、製品表示に従って均一になじませ、必要であれば乾かします。
STEP3|アイロンは、必要な場所だけに使う
髪を扱いやすい幅に分け、整えたい部分へだけアイロンを通します。前髪、顔まわり、表面、毛先では、髪の細さも受けてきた履歴も異なります。髪全体へ同じ温度、同じ回数で通すより、目的を決めて範囲を小さくするほうが、余計な熱を重ねにくくなります。
一度で整わないときは、すぐ何度も往復するのではなく、髪が完全に乾いているか、毛束が厚すぎないか、アイロンの当て方が合っているかを見直してください。
STEP4|仕上げのオイルは、毛先の内側から
アイロン後に使う仕上げ用オイルは、少量を手のひらへ取り、指の間までよく広げます。最初につけるのは、毛先の内側です。そのあと中間へなじませ、手に残ったごく少量を表面へ触れる程度にします。
前髪や根元は最後に判断してください。髪が細い方やトップがつぶれやすい方は、根元には何もつけなくてよい場合もあります。ツヤは、量を増やすほど上品になるものではありません。つけた直後ではなく、数分後の束感や指通りまで確認し、必要な場合だけ少量を足します。
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川北が今すすめているオイル
TOKIO IE アウトカラミ プラチナム オイルトリートメント
乾かす前にも、乾かした後にも使えるオイルです。軽い質感で、ツヤとサラサラとした手触りを出しやすく、重さが気になる方にも使いやすいと感じています。使用量や使うタイミングは、製品の表示に従ってください。
STEP5|その場のツヤより、翌日の髪を見る
その場ではきれいに見えても、翌朝に根元がつぶれる。シャンプー後も重い。以前より乾かす時間が長くなる。毛先だけ硬く感じる。こうした変化がある場合は、使用量やつける場所、組み合わせている製品を見直すサインです。
Riourseでは、違和感があるときに、さらに商品を足すことから始めません。まず残っているものと重なっているものを確認し、使用量を減らす。使う場所を限定する。必要なケアだけを戻していく。引き算も、髪を整えるための大切な設計です。
ヘアオイルを減らすと、毛先が広がる場合は?
オイルを減らした途端、毛先が広がると、「やはり量が足りない」と感じるかもしれません。しかし、毛先に必要なのは油分だけとは限りません。
水分を含む洗い流さないケアが必要なのか。夜の乾かし方に問題があるのか。毛先が薄くなりすぎているのか。過去のカラーや縮毛矯正によって、硬さが出ているのか。原因が違えば、オイルを足しても扱いやすさにはつながりにくくなります。
→関連記事ヘアミルクとオイルの違いと、使う順番薬剤ではなく、順番が結果を変える
髪を扱いやすくするために必要なのは、強い製品や高価なオイルを増やすことだけではありません。
髪の履歴を確認する。水分状態を整える。必要な場所へ必要なケアを置く。きちんと乾かす。熱を必要最小限に使う。そして最後に表面を守る。この順番が整って、初めて一つひとつの製品が本来の役割を発揮しやすくなります。
髪質改善は、トリートメント名ではなく設計で決まる。
ホームケアも同じです。何を買うかより先に、何を、どこへ、どの順番で使うのかを整えることが大切です。
Riourseは、表参道の完全予約制・マンツーマンサロンです。カウンセリングから施術、仕上げまで、代表の川北が一人で担当しています。
美容師として28年、カット、縮毛矯正、ケラチンブローアウトなどを通して感じるのは、同じ商品がすべての方へ同じ結果をもたらすわけではないということです。カラーや縮毛矯正の履歴、髪の太さ、毎日のアイロン頻度、希望する質感によって、必要なケアと順番は変わります。
毎朝アイロンを使わないと髪が整わない場合は、ホームケアだけでなく、施術で形やまとまりを整える選択肢もあります。
→施術の選び方ケラチンブローアウト・縮毛矯正・酸性ストレートの違い|40代の選び方
目指すのは、オイルを増やし続けることではありません。朝、髪を何度も触り直さなくてもよいこと。アイロンへ必要以上に頼らないこと。髪を気にしすぎず、自分の時間へ戻れること。
髪が整うと、朝の時間にも、気持ちにも、少し余白が生まれます。
ヘアオイルとアイロンについてのよくある質問
ヘアオイルはアイロン前に使ってはいけませんか?
アイロン後にもオイルをつけると重くなりませんか?
濡れた髪用のオイルを、朝の乾いた髪にも使えますか?
ヘアアイロンは何度で使えばよいですか?
オイルを減らすと毛先が広がります
自分の髪に合う順番が分からない方へ
「使っているオイルがアイロン前に使えるのか分からない」
「毛先には足りないのに、根元はすぐ重くなる」
「毎朝アイロンを使わないと髪が整わない」
そのような方は、商品を増やす前に、現在の使い方と髪の履歴を一度整理してみませんか。髪をきれいに見せるのではなく、髪がきれいでいられる状態をつくる。そのために、今の髪に必要な順番を一緒に考えていきます。
→メニューRiourseのサービス一覧を見る使っているオイルと髪の状態を、公式LINEでご相談ください
使用している商品の表裏の写真、オイルを使うタイミングと量、普段のアイロン温度と使用頻度、過去のカラー・縮毛矯正履歴をお送りください。
今の髪に合う順番を一緒に整理します。
