表参道にあるプライベートサロンRiourseの川北 善徳です。
髪質改善を追求し、一人ひとりの髪の状態や悩みに合わせた髪質改善の最高峰「ケラチンブローアウト」 を専門とするトップ美容師として、 お客様の髪を根本から美しくする施術を提供しています。

今回はお客様からご質問の多い「ウルトワ」と「Uptogloss」という水素トリートメントの違いについて、美容科学的な観点から詳しく解説していきます。さらに水素トリートメントそのものの特徴やメリット・デメリット、そして科学的なリスクや選び方のポイントを含めて、できるだけわかりやすくまとめました。
目次
水素トリートメントとは?
水素トリートメントはその名の通り「水素」を活用した新世代のヘアケア。
主な目的は、髪の酸化ダメージをリセットし、ツヤと柔らかさを与えることです。近年では「エイジングケア」や「美髪再生」といったキーワードと共に注目され、特に大人女性からの関心が高まっています。
髪の酸化とは?
私たちの髪は日常生活の中で常にストレスを受けています。代表的なのが「酸化ダメージ」です。
紫外線、ヘアカラー、パーマ、アイロンの熱、さらには大気中の汚染物質によって「活性酸素」が発生します。この活性酸素は髪の内部タンパク質や脂質を酸化させ、以下のような変化を引き起こします⬇︎
ゴワつきや硬さ
パサつきや乾燥
ツヤの消失
枝毛・切れ毛の増加
水素はこの「活性酸素」を中和・除去する働きを持ちます。
科学的にいえば、水素は酸化力の強い「ヒドロキシルラジカル」と反応して水に変わり、髪に不要な酸化ストレスを減らすのです。これが水素トリートメントの大きな価値です。
ウルトワ(ULTOWA)の特徴
ウルトワは水素トリートメントの中でも「内部補修」に重点を置いたブランドです。
主成分:高濃度水素+コラーゲン+ケラチン
仕上がり:しっとり感とまとまりに特化。髪の深部から補修される感覚。
施術方法:専用の薬剤を髪に浸透させ、熱処理を行い水素を髪内部にしっかりと定着させる。
メリット:
水素の抗酸化作用でダメージリセット
コラーゲン・ケラチンが髪内部の空洞を埋め、ハリコシが戻る
自然な潤いとツヤが蘇る
継続使用で髪質改善が期待できる
デメリット:
熱処理を伴うため、施術者の技術が未熟だと逆にダメージを与える恐れがある
効果は永続的ではなく、約3〜4週間で徐々に薄れる
⚪︎ウルトワに向いている人⬇︎
髪の広がりやパサつきに悩んでいる方
内部からのダメージ補修を望む方
ツヤと潤いを持続的に得たい方
定期的にケアを継続できる方
Uptogloss(アップトグロス)の特徴
Uptoglossはその名の通り「グロス=ツヤ感」にフォーカスした水素トリートメントです。
主成分:水素+グロス成分(ポリマー・被膜形成成分)
仕上がり:即効性のあるツヤと手触り。特に表面のなめらかさに優れる。
施術方法:水素を髪に与えながら、グロス系のポリマーで表面をしっかりコーティング。
メリット:
施術直後に「サラサラ」「つやつや」を実感できる
表面がコーティングされることでまとまりが良くなる
短時間で結果が出るので、イベント前などに最適
デメリット:
内部補修効果は弱く、表面的な仕上がりに偏りがち
コーティング成分が蓄積(ビルドアップ)するとベタつきや重たさの原因になる
効果の持続は数週間程度と短め
Uptoglossに向いている人
即効性を求める方
特別な予定があり、その場でツヤを出したい方
手触りの良さを重視する方
ウルトワ、Uptoglossの科学的に見た違いとは?
ここまでを整理すると、両者の科学的なアプローチの違いは明確です。⬇︎
ウルトワ:髪の内部にアプローチし、抗酸化作用と補修を同時に行う「内部ケア型」。
Uptogloss:髪の表面をコーティングし、ツヤを強調する「外部コーティング型」。
つまり、「根本改善を目指すか」「短期的な美しさを重視するか」で選び分けるのが理想です。
水素トリートメントに潜むリスク:オキシ3%の使用
多くの水素トリートメントでは、水素を安定的に発生させるために 過酸化水素(オキシ3%) が使用されます。これはヘアカラー剤にも使われる薬剤で、髪のメラニンを分解するほどの酸化力を持っています。
⚪︎メリット
水素を発生させる化学反応には不可欠
活性酸素を打ち消し、髪の酸化ストレスを軽減する効果がある
⚪︎デメリット
酸化力が強いためのリスク:過酸化水素は強力な酸化剤であるため、髪内部のタンパク質結合を壊してしまう可能性があります。結果として髪がスカスカになり、ハリやコシを失うことがあります。
使用量・施術方法の誤り:薬剤の塗布量が多すぎたり放置時間を誤った場合、期待した「ダメージケア」のはずが逆に「深刻なダメージの原因」となってしまうリスクがあります。
例えば、過酸化水素を必要以上に多く使うと酸化反応が強まり、髪内部のタンパク質が壊れてしまいます。また、放置時間が長すぎると毛髪が乾燥しやすくなり、枝毛や切れ毛を誘発します。。逆に短すぎると効果が十分に得られず、安定しない仕上がりになることもあります。さらに、薬剤を均一に塗布できていないと部分的に強いダメージが集中してしまい、全体の仕上がりにムラが出ることもあります。
美容師の技術力への依存:水素トリートメントは薬剤知識と髪質診断力が欠かせません。技術力が不足すると、仕上がりのツヤや柔らかさに大きな差が出るだけでなく、髪の健康を損ねてしまうこともあります。
改善・対策方法
薬剤管理を徹底:過酸化水素の量や濃度を適切にコントロールし、必要以上に髪へ負担をかけないようにします。
施術前カウンセリングの強化:お客様の髪質・履歴・ダメージレベルを把握したうえで施術することでリスクを回避。
アフターケアの重視:水素トリートメント施術後には、抗酸化成分や保湿成分を含むサロン専売シャンプー・トリートメントを使用し、髪を守ることが推奨されます。
定期的なリセットケア:炭酸泉やディープクレンジングで余分な薬剤や残留物をリセットすることで、長期的なビルドアップを防ぐ。
つまり、水素トリートメントを安全かつ効果的に行うためには「適切な薬剤管理」と「正しい施術工程」、そして「施術後のアフターケア」が欠かせません。サロン選びが仕上がりに直結する施術なのです。
まとめ:水素トリートメントのメリット・デメリット
メリット
酸化ダメージのリセット効果
髪のツヤ・柔らかさUP
エイジング毛へのアプローチ
継続施術による髪質改善の可能性
デメリット
オキシによる酸化リスク
効果の持続は約3〜4週間と限定的
表面的な仕上がりに寄りやすい製品もある
施術者の知識・技術次第で仕上がりが変わる
比較表で整理!ウルトワとUptogloss
項目 | ウルトワ | Uptogloss |
---|---|---|
主成分 | 水素+コラーゲン・ケラチン | 水素+グロス系ポリマー |
アプローチ | 内部補修型 | 表面コーティング型 |
仕上がり | しっとり・まとまり | サラサラ・即効ツヤ |
持続性 | 3〜4週間程度 | 2〜3週間程度 |
向いている人 | 髪質改善を目指す方 | 即効性を重視する方 |
まとめ|どちらを選ぶべき?
内部補修と継続的なケアを重視するなら ウルトワ
即効性と表面的なツヤを重視するなら Uptogloss
ただし、どちらも「万能」ではなく、メリット・デメリットを理解した上で活用することが大切です。
さらに水素トリートメント全般に共通する「オキシ3%のリスク」を忘れてはいけません。
正しい技術と知識を持つ美容師に施術してもらうことが、安全かつ効果的に結果を得るための必須条件です。
Riourseでは、カウンセリングを徹底し、お客様の髪質・生活習慣・理想の仕上がりを考慮した上で最適なメニューをご提案しています。
「内部ケア」か「表面のツヤ」か、自分に本当に必要なアプローチを一緒に見極め、未来の美髪づくりを叶えていきましょう。

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